小額からお金を運用したいとお考えですか?
100円からはじめられる積立投信もおすすめですが、1万円を自由に使えるのであれば個人向け国債もお金の運用におすすめします!
国債と聞くと借金という言葉が連想されて投資やお金の運用とはイメージがかけ離れていると感じる方もいるかもしれませんね。
個人向け国債は低リスクで1万円から購入できる手軽さがあり、お金の運用をしてみたいけどよくわからない!という初心者の方に向いているのです。手軽な反面大きな利益を得ることはあまり期待できませんし、100%損をしないということではありません。
しかし、ただなんとなく銀行にお金を預けておくよりも個人向け国債の方がくさんのメリットがある点は見逃せません。
メリット・デメリットを交えながら、初心者の方にもわかりやすく個人向け国債の魅力をお伝えします!
この記事でわかること
そもそも個人向け国債とは?
国が発行している債券を「国庫債券」といい通常は縮めて「国債」と呼んでいます。
簡単にいうと国債は国の借金。国債を買って国にお金を貸してくれたら利息をお支払いしますよという仕組みです。
国債には様々な種類がありますが、私たち個人が購入できる「個人向け国債」はリスクが少ない金融商品として安定した人気があります。購入最低額面金額は1万円。おこづかいの一部でお金を運用したいという初心者の方にも選ばれています。
個人向け国債は、固定金利型でも変動金利型でも最低金利0.05%が保証されています。メガバンクの金利が0.001%ですから、何も考えずに銀行にただ預けておくよりも良いことがわかりますね。
また、個人向け国債はペイオフの対象になりませんし購入額の上限も決められていません。銀行が破綻してもペイオフで1000万円までしか保証されませんし、いくつもの銀行に分けてお金を預けるよりも合理的で管理が楽になるといえるでしょう。
個人向け国債の最大の特徴は、償還日(満期)を迎えていなくても発行から1年が経過すれば、一部(1万円単位)または全額を中途解約ができる中途換金制度がある点です。
中途換金の際は【額面金額+経過利子相当額-直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685】の計算式で換金金額をもとめることができます。変動10年を金利が高い時に中途換金すると差し引かれる金額(ペナルティ)が大きくなる点は覚えておいてくださいね。
個人向け国債は3種類
個人向け国債は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があります。
いずれも半年ごとに利息を受け取ることができます。発行日から6ヵ月後に1回目の利息の支払いがあり、以降は満期まで6ヶ月ごとに支払われる仕組みです。
- 変動10年
実勢金利の動きに応じて半年ごとに金利が変わります。金利が上昇すれば受け取る利子が増えることになります。インフレ対策として投資する方もいます。 - 固定5年
発行時の金利が償還日までの5年間変わらない固定金利です。 - 固定3年発行時の金利が償還日までの3年間変わらない固定金利です。
日本は借金まみれでしょ?国債を買って大丈夫?
一番肝心なところは、日本の国債はほぼ日本国民が買っている点にあります。もし日本が借金を返せなくなったらお金を刷って日本国民に返せば良いのです。
国家経済破綻したギリシャの国債は約3割程度しか国内で買われていませんでした。そのため高金利で海外にアピールしていましたが思うようには買ってもらえませんでしたし、高い利息を支払うことができなかったのです。
日本ならお金を刷ればよいのですが、ギリシャはEU加盟国なので自分勝手にユーロを刷ることができなかったので借金を返せなかった訳ですね。さらにギリシャは国有資産まで売却してすっからかんの状態になってしまったのです。
マスコミが日本は借金まみれ!膨れ上がる借金!というような報道をするので、国債を買っても大丈夫なのかと心配になってしまう気持ちはよくわかります。
でも、日本には積立金や土地などの国有資産や海外に持っている対外純資産がたっぷりあるのです。確かに借金の金額は大きいけれど資産の額も世界トップクラス!ですから現状ではギリシャのような経済破綻をするとは考えにくいのです。
戦争などの非常事態が起これば日本も破綻するかもしれません。しかし日本が破綻した場合、銀行預金も価値がなくなりますよね。
国債も銀行預金も同じ円ですからいずれも100%安全!とはいえないのです。
個人向け国債はどこでどうやって買うの?
個人向け国債は銀行、郵便局窓口(ゆうちょ)や証券会社の窓口で購入することができます。
個人向け国債の取扱金融機関一覧|財務省
国債は券面を発行しないペーパーレス。金融機関の口座上で管理するので、まだ口座をお持ちでない方は新規開設をする必要があります。ネット証券は新規口座開設キャンペーンやキャッシュバックキャンペーンを行っていることが多くお得感があっておすすめですよ!
個人向け国債はいつでも買えるわけではありません。
以前は固定3年のみ毎月発行されていましたが、今は変動10年と固定5年も毎月発行されています。
購入を希望する場合は毎月の募集期間内に申し込みをする必要があります。募集期間はおおむね1ヶ月ほどあり、発行日は翌月の中旬頃になります。
個人向け国債は1万円から購入でき上限はありません。未成年でも国債取引をするための口座を開設すれば購入することができます。
個人向け国債のメリット・デメリット
個人向け国債のメリット
- 中途解約しない限り元本が戻ってくる
- 1万円から購入できる手軽さがある
- 購入手数料がかからない
- 最低金利(0.05%)が保証されている
- ペイオフの対象にならない
個人向け国債の元本と利子は国が責任を持つことになっています。
株とは違うので中途解約しない限り額面が戻ってくることから一般的に元本が保証されると認識されています。仮に個人向け国債の取引口座がある銀行が倒産したとしても額面に関わらず100%戻ってきます。
日本は借金大国だから国債を買うのは不安だという声もありますが、先ほど触れた通り日本は借金も多いが資産も多い国なのです。
これらのことから、株の投資よりも低リスクでお金を運用したい!でも投資の知識はない!という方に個人向け国債は向いています。
株の場合は数十万円の単位で資金が必要になるケースがあります。投資の初心者にとってこのような大金をいきなり運用するのはハードルが高いのではないでしょうか。
また、株の取引では証券会社や銘柄によって高い手数料がかかることもありますが個人向け国債は購入時の手数料がかかりません。
厳密にいうと手数料がかからないのではなく、手数料が含まれているといえるかもしれません。というのも、国は債券を発行するために証券会社などに募集手数料として0.5%を差し引いて卸しています。
そして証券会社などが個人投資家に個人向け国債を販売する際は、国から債券を仕入れた時よりも0.5%上乗せして販売し利益を得ているのです。
個人向け国債は1万円から購入することが可能!手数料がかからない仕組みについては前述の通りです。
ひとまず小額からお金の運用を考えてみたいという方にとって、1万円から上限無く購入できて手数料がかからない手軽さは大きなメリットになりますね。
ルールが変わり個人向け国債3種類全て(変動10年、固定5年、固定3年)が毎月発行されるようになりました。
今月は1万円だけ購入して来月は2万円購入しようという買い増しも、臨時ボーナスが入ったから今月だけ10万円購入しようといった買い方も可能!もちろん毎月購入する必要はありませんから1回だけ買ってあとは放置でも全く問題ありません。
個人向け国債は、メガバンクの預金よりも金利が高いこともメリットとして挙げられます。
もし銀行の金利の方が高かったら誰も個人向け国債を買いたがらないことになってしまいますものね。また、個人向け国債はペイオフの対象にならないことから銀行に預けっぱなしにしておくよりも恩恵を受けるといえるでしょう。
個人向け国債のデメリット
- 利益を求める投資の楽しみが感じられない
- 大規模震災などを除いて1年間解約できない
個人向け国債に大きなデメリットはありません。
株や投資信託とは違うので大きな利益を求める方や投資そのものを楽しみたいという方にはあまり向いていないかもしれませんね。
逆に言えば投資の知識に乏しい初心者でも始められるということですから、投資初心者にとっては大きなデメリットではありませんね。
個人投資家の中には利益を求めるお金の運用という位置づけから外して、お金の預け先として個人向け国債を選んでいる方や将来のインフレに備えて個人向け国債を買っているという方もいます。
個人向け国債は、口座名義人が亡くなったり大規模震災で災害救助法の対象になったりという特例を除いて発行から1年間は中途解約ができません。まとまったお金が必要になった時にすぐに現金に換えることができない点は留意しておきましょう。
◎個人向け国債では利率が物足りない・・という方は高金利の外貨で利息を得るという方法もあります。
詳しくはこちらの記事に書いてあります。