マネーな話

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入院すると思いがけず高額な医療費がかかって慌ててしまう方が多いのではないでしょうか。

高額になる入院費や医療費は制度を利用することで節約できることを知っておくといざという時に役に立ちます。

できるだけ入院費用を節約する方法を中心に、入院で高くなった医療費を抑えることができる高額療養費制度や1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に申請できる医療費控除にも触れていきます。

この記事でわかること

少しでも入院費用を節約する方法とは

病気や怪我で急に入院が決まると思わぬ出費に慌ててしまうものです。
退院後もしばらくは通院でタクシーを使ったり家事代行サービスを利用したりして出費が続く可能性も。

できるだけ入院費を節約する方法を考えてみましょう。

差額ベッド代は条件により払わなくてもよい

入院時の差額ベッド代が請求されることがあります。しかし、条件によっては差額ベッド代を払わなくてもよい場合があるためよく確認しておきましょう。

ベッド数が4床以下、ひとり当たりの面積が6.4平方メートル以上、個人用の収納設備や証明、小机や椅子があるといった条件を満たした病室が差額ベッド代の対象となります。

このような条件の病室で入院しても、治療上の理由であれば差額ベッド代は患者の同意がなければ請求できないことになっています。

例えば、他人と一緒だと落ち着かない、見舞い客が多くて他の入院患者に迷惑をかけるといったプライベートな理由で個室を利用すると差額ベッド代が発生します。

一方で、ベッドに空きがなくやむを得ず個室を利用したという病院の都合や感染症の心配などで個室を利用した場合、病院は差額ベッド代を請求してはいけないことになっています。

しかし同意書にサインをしてしまうと治療上の理由で個室を利用しても差額ベッド代を支払うことになってしまうので書類はよく目を通すことが大切です。

あらかじめ入院がわかっていたが個室しか空いていなかったという場合では、ひとまず個室に入院し大部屋に空きができ次第移動させてもらいましょう。

よけいな差額ベッド代がかからず入院費用を抑えることができます。

高額な入院費はクレジットカード払いがお得!

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入院費用は日数や検査内容次第で高額になることがあります。

入院前に加入している健康保険に申請すると限度額適用認定証が交付されますが、窓口で数万円を支払うケースもあります。
こんな時は現金で支払うよりもクレジットカード払いの方がお得です。

例えば年会費無料の楽天カードは100円ごとに1ポイントが貯まります。

入院費が15万円かかった場合、楽天カードで支払えば1,500ポイントが付与されます。

1ポイント=1円ですから、楽天市場などで1,500円分の買い物に使うことができます。

また、カード払いにするとATMで現金を引き出す際の手数料がかかってしまったり、大金を持ち歩く防犯面での不安といったデメリットを気にしなくて済みます。

家にあるものを持参して入院費を節約!

感染症予防などの理由でレンタルが定められている場合もありますが、パジャマやタオルは家から持参すればレンタル代を節約できます。

単品でレンタルできる他、パジャマやタオル類がセットになっているものもあります。

ある病院では、入院セット(寝巻き、タオル類、歯ブラシ、ティッシュ、T字カミソリ、シャンプー、ボディソープ)が1日あたり762円かかります。

15日入院した場合レンタル代だけで11,430円もかかってしまいます。

このような寝巻きや洗面用品は医療費控除の対象にはならないので要注意!

一人暮らしで着がえや日用品を補充できない場合やレンタルが義務付けられている場合を除き、家から持参できるものは自分で用意したほうが入院費を節約できます。

高額療養費制度について

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合にその差額が支給される制度です。1ヶ月単位で計算されるため月をまたいだ入院は制度の対象外になることを覚えておきましょう。

事前に入院が分かっている場合で日程の融通が利くようであれば、月始めから入院できるよう予約をとることをおすすめします。

高額療養費の計算

院外処方代を含み、同じ医療機関の自己負担は上限額を超えなくても合算することができます(70歳未満は21,000円以上)。

合算額が負担額の上限額を超えれば高額療養費の支給対象になります。

例えば、1ヶ月でA大学病院の内科、眼科、産婦人科にかかった場合の支払額は合算できます。
A大学病院の内科、B眼科クリニック、C婦人科クリニックにかかった場合は合算できません。

同じ医療機関であっても入院と外来は別々に計算します。ただし、A大学病院に入院中他の診療科にもかかったという場合は合算できます。

【70歳未満】
①所得区分 健保標準報酬月額83万円以上の方/国保年間所得901万円超の方
ひと月あたりの自己負担限度額 252,600円+(医療費-842,000円)×1%

②所得区分 健保標準報酬月額53~83万円未満の方/国保年間所得600~901万円以下の方
ひと月あたりの自己負担限度額 167,400円+(医療費-558,000円)×1%

③所得区分 健保標準報酬月額28~53万円未満の方/国保年間所得210~600万以下の方
ひと月あたりの自己負担限度額 80,100円+(医療費-267,000円)×1%

④所得区分 健保標準報酬月額28万円未満の方/国保年間所得210万円以下の方
ひと月あたりの自己負担限度額 57,600円

⑤所得区分 非課税の方
ひと月あたりの自己負担限度額 35,400円

【70歳以上】

①所得区分 現役並み所得者(月収28万円以上なので窓口負担3割の方)
自己負担限度額 外来(個人ごと)44,400円
1か月の負担の上限額 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

②所得区分 一般
自己負担限度額 外来(個人ごと)12,000円
1か月の負担の上限額 44,400円

③所得区分 低所得者Ⅱ(住民税非課税の方)
自己負担限度額 外来(個人ごと)8,000円
1か月の負担の上限額 24,600円

④所得区分 低所得者Ⅰ(年金受給額80万円以下など総所得金額がゼロの方)
自己負担限度額 外来(個人ごと)8,000円
1か月の負担の上限額 15,000円

高額療養費は世帯合算ができる

一世帯(被保険者とその被扶養者)で一定額を超えると高額療養費の合算ができます。

70歳未満で1ヶ月の医療費の自己負担額が21,000円以上であることが合算の条件です。

ひとりが1ヶ月で複数の医療機関を受診し自己負担額が21,000円以上の場合でも合算できます。

家族ひとりの自己負担額では制度に届かない額でも合算すると差額が支給されます。医療費を抑えたい方、節約したい方はぜひ世帯合算できることを覚えておいてくださいね。

限度額適用認定証を持参する

あらかじめ入院がわかっている場合、加入している医療保険に限度額適用認定証を発行してもらいましょう。認定証を病院の窓口で提示すれば支払額は自己負担限度額まで軽減されるため、まとまったお金を用意する必要がありません。

退院後に高額療養費の申請をする必要がないので時間と手間の節約にもなります。

また、限度額適用認定証は被扶養者も発行してもらえます。家族の入院が事前に分かっている場合も申し出ましょう。

【3割負担で医療費が100万円かかった場合】

通常は、3割負担の30万円を入院した病院に支払い高額療養費を申請します。その後高額療養費にあたる約21万円が支給されます。

あらかじめ限度額適用認定証を用意しておくと、病院へは限度額約9万円のみを支払います。あとは加入する医療保険が病院へ高額療養費の約21万円を支給の手続きを行ってくれます。

医療費控除とは

1月1日から12月31日までの1年間に医療費が10万円以上かかった場合に申告すると条件によっては還付金を受け取ることができます。

扶養の有無に関係なく生計が同じ家族全員の1年間の医療費を合算して10万円を超えた場合でも申告できる点と、高額療養費制度と併用できる点を覚えておくと家族みんなの医療費の節約につながります。

※ 2017年1月からセルフメディケーション税制が始まりました。

日ごろから健康診断や予防接種を受けて健康増進に取り組んでいる方で、1年間にスイッチOTC医薬品(従来は処方箋が必要だったロキソニンやガスター10といった医療用の医薬品で一般医療薬に転用されたもの)の購入額が12,000円を超えた場合にセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)で所得控除を受けることができます。

セルフメディケーション税制を利用すると医療費控除を受けることはできませんのでご注意ください!

医療費控除の計算

1年間の医療費として支払った総額-生命保険などで補填される金額-10万円(総所得が200万円未満の方は総所得金額×5%)=医療費控除額
この医療費控除額に所得税率をかけると還付金額が算出できます。

過去5年間にさかのぼって申請できる
医療費の申告期間は5年間。過去5年間にさかのぼって申請できるので申告を忘れていた場合は医療費控除額を計算してみると良いでしょう。

医療費控除をすると所得税が軽減できるだけでなく、税率によっては住民税も安くなる可能性があります。

医療費控除は家族の中で入院した人が申請しなければならないということはありません。家族の中でいちばん所得の多い人が申請すると還付金も多くなりますから必ず申請しましょう。

レシートの保管を忘れずに!
例えばケガで入院し退院後は自分で傷を消毒する場合、ドラッグストアで購入したバンドエイドや消毒薬も医療控除の対象になります。

ケガで歩けなくてタクシーでバンドエイドを買いに行った場合はタクシー代も医療費控除の対象になります。

電車で病院に行った場合、SuicaやPASMOを使うことがほとんどではないでしょうか。この場合は申告書に運賃を記入すればOKです。

病院で受け取った領収書の他に、市販薬を購入した際のレシートやタクシーの領収書は必ず保管しておきましょう。

貯めたポイントでバンドエイドや頭痛薬を買っても医療費控除の対象になるのか?
Tポイントやマツキヨポイント等ドラッグストアのポイントでバンドエイドや頭痛薬を購入した場合は医療費控除の対象にはなりません。

ポイントを使った場合もレシートが出ますが、現金を使っていないため申請できないことを覚えておきましょう。

ただし、1,500円の頭痛薬を購入した際に500円分のみポイントを使った場合は1,000円が医療費控除の対象になります。(2017年2月税務署に電話確認済み)

出産費用を抑えて節約したいなら

出産すると健康保険から出産育児一時金42万円が支給されます。出産費用が42万円を超えた場合は窓口で不足分を支払う必要があります。

42万円未満で済んだ場合は窓口で支払う必要はありません。例えば38万円で済んだ場合、差額の4万円が支給されます。

つまり出産費用が安い産院を選べば受け取る額が大きくなるという訳です。忘れずに申請しましょう。

私の場合、12万円ほどオーバーしましたがクレジットカード払いで抜かりなくポイントゲットしました(笑)

北海道標津町では出産祝い金として、第1子に5万円、第2子に10万円(半額は商品券)、第3子以降に50万円(半額は商品券)が給付されるため日本一手厚い支援といえるかもしれません。

東京都港区では出産時の入院費用(上限60万円)から出産育児一時金を引いた額が助成されます。

お住まいの自治体にこのような支援制度が整っているか確認し、賢く利用すると出産費用を節約することができますよ。

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この記事を書いた人

さっぴー
さっぴー 多摩動物園のチーターが好きなアラフォー主婦。

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